エコル(株)座談会「若手社員は語る」見てね♪

エコルの技術

2. ガラスクリーニングの知識と技術

現在、日常清掃で行われているガラスクリーニングは、玄関ドアガラスのクリーニングやガラスについた手あと取り等が主だと思われる。
ビルの定期的な窓ガラスクリーニング回数が減少している今日、玄関周囲の美観を維持するため、手の届く程度のガラスクリーニングは日常清掃作業の中で実施していく必要が出てくるだろう。

ウィンドウスクイジーを使用するのは専門の窓ガラスクリーニング業者だけと思われがちであるがフロアスクイジーと理屈は変わらないので、慣れれば誰でも楽に使いこなせるものである。

外国の空港などで、女性のクリーンクルーが日常清掃の用具と一緒にカートに入れて空港ロビーのガラスクリーニングしているところを見かけたことがあるが、今後日常清掃でウィンドウスクイジーを使用する機会は増えると思われる。

ビルクリーニング用品として、窓ガラスやステンレスの専用洗剤等が市販されているが、特別な場合を除いてこれらを使う必要はない。
埃汚れは水だけでクリーニングできるし、人間の手の跡や毛髪(整髪料)および煙草のヤニ等は希釈した汎用洗剤でクリーニング可能である。

玄関ドアガラスを固絞りしたタオルウエスで拭くと、汚れは落ちるが拭き跡やタオルの糸などが残りがちとなる。
固絞りしたウエスで拭いた直後に、セーム皮や最近良く使われている超微細繊維布(マイクロファイバークロス)で拭き上げるときれいな仕上がりとなる。

これは、ガラスだけでなく、鏡やステンレス等も同様である。
市販のスポンジにこのマイクロファイバークロスを巻いて縫い込んだものを作ると、さらに使い勝手の良いものになる。

ガラスの硬さはモースコード6程度なので、ガラスに付いたセロファンテープを刃物を使って除去する場合やパッドを使ってクリーニングする場合はキズを付けないように注意する必要がある。
広い範囲のガラスをクリーニングする場合には、やはりウィンドウスクイジーとシャンプーセット(ホルダーおよびカバー)を使用した方が便利である。


2. ガラスクリーニングの知識と技術

スクイジーを使ったウィンドウクリーニング方法

ビルクリーニング技能士試験にもこのスクイジーを使ったウィンドウクリーニング作業が含まれているが、いくつかコツを紹介したい。

(1)シャンプーによる汚れの溶解

まず、洗剤を水で希釈してシャンプーに含ませ、ガラス面をこすって汚れを溶解させるのだが、この場合上下左右のサッシ際と四隅を十分に濡らして良くこすることが大切である。
ここは汚れやすくしかもスクイジーの使いにくい箇所だからである。

また、煙草のヤニ等が固着している場合は、手に摩擦の抵抗感が伝わってくるので、そこの箇所は水を十分に含ませ、よくこすって汚れを完全に溶解させる。

汚れが完全に溶解されずに残ったり、また乾いてしまってスクイジーを使ってもきれいに仕上げることはできない。

汚れが完全に溶解されて汚水となってガラス面に浮いた状態となれば、スクイジーで汚水を除去するのは非常に軽快な作業となる。

(2)スクイジーの使い方

①縦引きと横引き

スクイジーの基本的な引き方は縦引きと横引きである。

これは図1のように、スクイジーをタテタテ・ヨコヨコと直線的に動かしてクリーニングする方法である。
この方法はすでに多くの方々が実践していると思うが、ここではスクイジーを操作する場合の汚水の流れを確認しておきたい。

この二つを比べるとスクイジーの仕組み上、横引きの方が使い方が容易なことが判る。

それは横引きの場合は汚水が重力に従って自然に下方へ流れるのに比べて、縦引きの場合はプレード(スクイジーのゴム)自身で汚水を下方へ運ばなければならないため、スクイジー操作が難しくなる場合があるからである。

しかし、実際にはガラスの大きさや形に応じて両方を組み合わせ使用する。
汚水の流れを意識しながらスクイジーを使用するのも上達への一方法だと思われる。

2. ガラスクリーニングの知識と技術
②横引きと縦引きの組合せA・B

サッシや方立てが邪魔をして端から端までスクイジーを操作できない場合等に使われる。
縦引き横引きでのクリーニングでは最も一般的な方法である。

2. ガラスクリーニングの知識と技術
2. ガラスクリーニングの知識と技術
③横引きと縦引きの組み合わせC

図2とはちょうど逆のスタイルだが、スクイジーの引き始めにプレードでサッシ際の汚れを引っぱってしまい易い点をカバーする方法である(図4)。

④サッシ際を面取りする

サッシ際は汚れが堆積しやすくシャンプーで十分にこすりにくいため、引き始めにブレードで汚れを引きずってしまうことがある。
これを避けるためスクイジーの先端でサッシに沿って予め2~3cmの幅で引いておく方法である(図5)。

⑤四隅とサッシ周りを先に拭いておく

上記と同様の意図で、サッシ際をウエス等で事前に拭いておく方法である。
汚れの激しいガラスには有効である。

2. ガラスクリーニングの知識と技術

(3)スクイジーを使用する場合の注意点

窓ガラスクリーニングにスクイジーを使用する際の問題点、クリーニング時に生じる汚水の始末である。
事務所ビルの多くは、窓側に窓台や保管庫があり、その上には書類が置かれている。
養生を工夫して書類や什器が汚損をしないよう十分な配慮が必要である。


戻る